交通事故・離婚・相続

交通事故

交通事故は、被害者となっても加害者であっても、どうしたらよいかわからないことが多くあります。
ご自身の言い分を確かめに、どうぞ私たちに相談にお越しください。

  • 交通事故の被害にあった、もしくは、加害者になってしまったが、どうしたらよいかわからない。
  • 保険会社から示談の提示をされたが、適正な金額かどうか分からない。
  • 脳脊髄液減少症と診断されたが、賠償を拒絶されている。あきらめるしかないのだろうか

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ご相談事例

事故現場で、加害者から、「ちゃんと賠償するから警察を呼ばないでくれ。」と言われました。
お金を払ってさえくれれば良いので、警察を呼ばなくても問題はないでしょうか?

事故直後には、最終的な損害がいくらになるか分かりません。この段階で仮に加害者が全額払うと言ったとしても、その約束は無効と判断される可能性があります。後日、加害者が自らの発言を否定し、争いになることも多いですが、警察を呼んで適切に事故処理を行っていない場合、加害者側保険会社が賠償を拒否する場合もあります。そもそも、道路交通法上、運転手は警察に事故を届け出る義務を負っています。加害者がなんと言おうと、まずは警察を呼んで、適切に事故処理を行って下さい。

自分の不注意で前の車にぶつけてしまいました。
被害者から、過失を認め全額賠償する旨の一筆を書いて欲しいと言われました。
どうしたらよいでしょうか?

先の質問の回答にもありますが、事故直後の動揺している状態で、全額賠償の約束をしたとしても、法律的には無効とされる可能性が高いです。しかし、そのような約束をすることは、被害者側に過剰な期待を生じさせ、後日の紛争の元となりますので、事故現場で何らかの書面にサインすることはやめましょう。

交通事故の被害に遭い、まだ、痛みがあるのに、加害者側の保険会社から、もう治療費は支払わないと言われました。
これ以上通院できないのでしょうか?

交通事故に遭って怪我をしてしまい、数ヶ月通院を継続していると、ある時、加害者側保険会社から、突然、「今月いっぱいで治療費の支払いを打ち切ります。」と言われてしまうことがあります。まだ症状が強く残っていて、治療の効果が現れている場合、通院を中止しないで、きちんと治療を続けて下さい。中途半端に治療を中止すると、後々症状が残ってしまうこともありますし、賠償の面でも不利に扱われてしまうことがあります。加害者側保険会社から治療費の支払いを打ち切られてしまうと、原則は、健康保険を使用して、自費で通院することになります。
しかし、場合によっては、主治医と協議の上で、保険会社と交渉し、治療費の支払いを継続してもらうことも可能です。治療費の打ち切りを通告されてお困りの方は、是非、法律の専門化である弁護士にご相談ください。

その場合、全額自費で通院しなければいけないのでしょうか?

よく、交通事故の場合健康保険が使えないという話を聞きますが、交通事故の場合でも健康保険は使えます。特に、今回のように加害者側から治療費の打ち切りを言われている場合など、後日、加害者側から賠償を100%受けられない場合もありますので、ご自身の負担を少なくするためにも、健康保険を使用しましょう。

保険会社から示談の提案をされたのですが、金額が適正かどうかよくわかりません。
そのまま示談してしまっても良いのでしょうか?

交通事故に遭ってしまい、その交通事故の損害賠償に関し、相手方保険会社から示談の提案があった場合、どうしてもそれ以上は受け取れないものだと思ってしまい、提示された金額で示談してしまう方が少なくないと思います。しかしながら、保険会社からの賠償提示は、保険会社の基準に従った金額を提示されることが多いのですが、裁判で認められる金額より低額に抑えられていることが多いのが現状です。また、例えば、人身事故の場合、損害としては、入院・通院にかかる治療費、休業損害、後遺障害逸失利益、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料など、交通事故の損害賠償額算定には多くの項目の検討が必要になり、特に、休業損害、後遺障害逸失利益、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料などは、一般の方が容易にその妥当性を判断できないことも多いと思います。例えば、交通事故の損害賠償請求においての休業損害や後遺障害逸失利益はその算定の基礎とする収入額さえも争いになることが少なくないです。安易にあきらめてしまう前に一度法律の専門家である弁護士にご相談されてみてはと思います。特に、あなたが加入している保険(自動車保険・火災保険・個人賠償責任保険等)に弁護士費用特約が付いている場合、保険で弁護士費用がまかなえる場合もあります。保険内容もご確認ください。

脳脊髄液減少症と診断されましたが、加害者側保険会社は認めてくれません。
あきらめるしかないのでしょうか?

脳脊髄液減少症や高次脳機能障害については、以前は交通事故によって発症し得ないとして賠償が拒絶されることが多かったのですが、現在は、医学上、交通事故によって生じうる傷害であることが認められており、賠償責任が認められる裁判例も出てきています。決してあきらめずに、まずは私どもに一度ご相談下さい。

病院で、「交通事故の場合、健康保険が使えない。」と言われたのですが、本当でしょうか?

実際、交通事故の被害に遭って、健康保険を使おうと思ったら、医療機関から、「交通事故の場合は健康保険は使えませんよ。」と言われたという方もいらっしゃいます。では、交通事故の場合、本当に健康保険は使えないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。交通事故の場合であっても、健康保険を使用することは可能です。厚生省(現厚生労働省)の通達でも、裁判例においても、「交通事故の場合であっても健康保険を使用することは可能。」と明確に判断されています。では、なぜ医療機関は健康保険の使用をいやがるのでしょうか。健康保険を使用した場合、一つ一つの診療行為(診察や検査、投薬等)の価格は、国が決めています。ところが、健康保険を使用しない場合、自由診療といって、診療行為の価格は、各医療機関が自由に決めることが出来ます。現在でも、交通事故において健康保険を使用しない場合、多くの医療機関においては、診療行為の価格は、健康保険を使用した場合の1.2倍~2倍(医療機関によってはそれ以上)となっています。つまり、健康保険を使用しない場合の方が、医療機関にとって「うまみ」が大きいのです。しかし、上記の通り、交通事故においても健康保険を使用することは可能です。また、被害者であっても、過失が出る場合、健康保険を使用した方が、最終的な賠償の場面でも、事故の負担が抑えられ、得な結果となります。時々、加害者側の保険会社から、「健康保険を使って通院して下さい。」と言われることがあります。こんなとき、「何故被害者なのに自分の保険を使わないといけないんだ。」と思われるかもしれません。しかし、これまで述べてきたように、健康保険を使用することは、被害者にとってもお得です。是非、健康保険を使って通院して下さい。もし、医療機関から「健康保険は使えません」と拒否された場合など、お困りの際には、通院中であっても、是非、法律の専門家である弁護士にご相談ください。

保険会社から示談の提案があったのですが、休業損害や後遺障害による逸失利益などの金額が妥当なのかわかりません。
どうしたらよいでしょうか?

交通事故に遭った場合、治療費や入通院慰謝料などの他に、休業損害や後遺障害による逸失利益のように、その交通事故がなければ被害者が得られていたであろう利益を加害者に請求できる場合があります。休業損害とは、怪我やその治療のために仕事ができなかったことによって生じる収入の減少額を損害として請求するものです。交通事故における休業損害の算定については、1日あたりの収入額×休業日数によって算出されることも多いのですが、それとは異なった計算方法が採用されることもあります。交通事故の後遺障害による逸失利益とは、交通事故の後遺障害がなければ将来得られていたであろう利益です。基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数で計算します。交通事故における休業損害や逸失利益の算定に関して、問題となるものとしては、算定の基礎となる収入をどのように決めるかということがあります。給与所得者であれば比較的わかりやすいのですが、それでも時間外手当(残業代)や有給休暇を損害に算定する方法などが問題となります。事業所得者(個人事業主)については、事故前の確定申告の所得額を基準にするのが原則ですが、過小申告している方やそもそも申告自体をしていない無申告の方も少なくないため、基礎収入をどうするかが問題となります。なお、主婦などの家事従事者についてですが、主婦(主夫)だからといって、休業損害が認められないわけではありません。女性労働者の平均賃金を基準とされることが多いようです。交通事故の当時、失業中で収入がなかったからといって、必ずしも、休業損害や後遺障害による逸失利益の請求が認められないわけではありません。いずれも具体的事情によって変わってきますので、保険会社の提示額を鵜呑みにすることなく、詳しくは法律の専門家である弁護士にご相談ください。

失業中に交通事故に遭ってしまった場合、休業損害や後遺障害による逸失利益の請求は一切できないのでしょうか。

交通事故による休業損害については、失業中はもともと収入が得られなかったのであるから、怪我の治療が比較的短期間の場合には(就職が内定していたなど、その期間に収入を得る可能性があったという場合を除いては)、休業損害の請求が認められない場合が多いといえます。一方、交通事故による治療期間が長期間となった場合は、交通事故当時は失業者であっても、交通事故に遭わなくても、その期間中ずっと就労をしなかったとは言えないことも多く、休業損害が認められる場合もあります。具体的には、年齢、失業の経緯、資格等を考慮して、休業損害を認めるべき期間を判断することになります。基礎収入については、失業前の収入及び失業の経緯、年齢、資格や賃金センサスの平均賃金などをもとに判断されることが多いと言えます。交通事故の後遺障害による逸失利益については、失業者といっても就労可能期間(原則として67歳まで)中ずっと就労しなかったとは考えられないことから、原則として、失業中でも交通事故の後遺障害による逸失利益の請求は認められます。基礎収入については、失業前の収入や賃金センサスの平均賃金などをもとに算出されることが多いでしょう。交通事故の休業損害や後遺障害による逸失利益の請求については、具体的事情による場合が多いため、保険会社の提示額をそのまま鵜呑みにすることなく、詳しくは法律の専門化である弁護士にご相談ください。

修理費用はどこまで認められるのでしょうか?

車の時価額(及び買替諸経費)よりも修理費用が高い場合は、修理費用の賠償は時価額に制限されることになります。時価額(及び諸費用)を賠償すれば、市場で同種同等の車を取得できるからです。なお、ここで言う時価額とは、下取り価格ではなく、業者がお客様に販売するときの価格です。裁判例の中には、例外的に、その車と同種同等の車を取得することが困難であり、時価額及び買替諸経費を超える修理費用を出して修理をしてもその車を使用し続けたいと希望することが社会観念上許されるとする相当な理由があるような場合には、時価額を超える修理費用を認めるという内容の判示をしたものも見られますが、実際のところ、この例外が認められることはあまりありません。

交通事故に遭ったのですが、いつ弁護士に頼んだらいいのでしょうか?

交通事故に遭われた方の中には、「いつ弁護士に相談したら良いのだろうか?」と、相談や依頼のタイミングがわからないという方がいらっしゃると思います。中には、弁護士に相談したものの、「現在まだ通院中です。」と言っただけで、「治療が一段落してから相談に来て下さい。」と言われてしまったという方もいらっしゃいます。弁護士に相談するタイミングは、「早ければ早いほうが良い。」と思います。被害に遭われた方の中には、通院中にも、いろいろなトラブルに巻き込まれる場合があります。「交通費を支払ってもらえない。」「来月いっぱいで治療費の支払いを打ち切ると言われた。」「病院を変えたいのに、ダメと言われた。」などなど…これらは、いずれも、加害者側保険会社との交渉の中で問題となり得る出来事です。保険会社は、いわば事故処理の専門家です。それに対し、交通事故の被害を受けながら、一個人が対等に交渉をしていくことは非常に難しいものがあります。治療に集中するため、また、満足のいく賠償を受けるため、法律の専門家である弁護士に相談・依頼をするのに、早すぎると言うことはありません。まずは、一度ご相談下さい!

「弁護士費用特約」とはどういうものでしょうか?

交通事故に遭ってしまったとき、あなたの自動車保険に「弁護士費用特約」がついていたら、あなたが弁護士費用を負担することなく、事故受傷直後から加害者や保険会社との面倒な交渉や訴訟を含む示談交渉を弁護士に一任することができます。(通常、同居の親族や別居の未婚の子供が事故に遭った時にも適用が可能です)一般的には、弁護士費用を300万円まで、保険会社が負担してくれます。また、弁護士費用特約を使用しても、翌年の保険料も上がりません。保険料が上がることなく、そして、弁護士費用の心配も無く、事故直後から、解決に至るまで、交渉や訴訟手続の全てを弁護士に一任することができるため、いざというときに安心できます。概ね、年間の保険料も2,000円前後ですので、非常にお得な特約と言えます。弁護士は、もちろん加入している保険会社に紹介してもらうこともできますが、直接指名することも可能です。
弁護士費用特約に加入しているかどうかわからない方は、こちらで確認することもできます。まずは一度ご相談下さい。

費用について

「交通事故」に関する相談料は無料です。

詳しい弁護⼠費⽤についてはこちらから

離婚

離婚は人生の一大事です。より幸せな再出発ができるように全力でサポートさせていただきます。
よくわからないうちに離婚が成立してしまい、後悔しないために、是非ご相談ください。専門的な判断が必要になる場合がありますので、ぜひ弁護士にご相談ください。当事務所には女性弁護士も所属しております。お気軽にご相談ください。

  • 離婚をしたいのだけど、どうしても相手が応じてくれない。
  • 離婚は合意しているが、財産分与や慰謝料で話し合いがつかない。
  • 離婚の調停を申し立てられたのだが、どうしたらよいかわからない。

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ご相談事例

離婚手続にはどのようなものがありますか?

協議離婚、調停離婚、裁判離婚があります。協議離婚とは、当事者が話し合いにより、離婚の合意をし、離婚届を提出することにより、成立する離婚です。調停離婚とは、家庭裁判所の調停手続において、調停が成立した場合に成立する離婚です。裁判所の手続を使いますが、調停は話し合いの場ですので、合意に至らなければ離婚は成立しません。裁判離婚とは、家庭裁判所の裁判で、「離婚する」との判決を得て離婚する方法です。ただし、調停を経ずにいきなり裁判を起こすことは、原則できません。

どのような場合に離婚できるの?

民法第770条1項は、裁判上の離婚事由(原因)を規定しています。

① 配偶者に不貞な行為があったとき(770条1項1号)
② 配偶者から悪意で遺棄されたとき(同2号)
③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき(同3号)
④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込がないとき(同4号)
⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(同5号)
です。

協議離婚や調停離婚で相手が合意した場合は、上記の離婚事由がなくとも離婚を成立させることができますが、協議が調わない場合、離婚をしようとすると上記の離婚事由の存在を主張して訴訟をすることとなります。

① 不貞行為について
不貞行為とは、配偶者のある者が自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を持つことです。なお、相手方の不貞行為を知りながらこれを許した場合には離婚原因にはならないとされています。この不貞行為を、夫又は妻がしているとして、ご相談を受けることが多くあります。確かに、不貞行為は裁判上の離婚事由なのですが、問題はその立証です。相手方が不貞行為を否認する場合、証拠となりそうなものをどこまで集めることができるかがポイントとなります。ただ、必ずしも性的関係を立証できなくとも、⑤の「婚姻を継続しがたい重大な事由」があるとされる余地はあります。

② 悪意の遺棄について
夫婦の一方が正当な理由なく同居義務や扶助義務に違反することです。正当な理由がないのに、自宅を出て別居を続けたり、収入があるにもかかわらず生活費を全く入れないなどがこれにあたります。

③ 3年以上の生死不明について
生きているか死んでいるかわからない客観的状態が3年以上続いていることです。

④ 強度の精神病にかかり、回復の見込みがないことについて
この条項の適用については、一般的には非常に厳格的に考えられています。最高裁判所も、単に夫婦の一方が不治の精神病にかかったことをもって離婚事由があると解するべきではなく、「諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできるかぎりの具体的方途を講じ、ある程度において、前途に、その方途の見込のついた上でなければ、ただちに婚姻関係を廃絶することは不相当と認めて、離婚の請求は許さない法意である」としています。

⑤ 婚姻を継続し難い重大な事由について
実務においては、この770条1項5号に該当する事由があるかが争われることが多いです。DV、犯罪、浪費等さまざまな原因が考えられます。よく、「性格の不一致」や「価値観の違い」を理由に離婚を希望する方がいらっしゃいますが、裁判上それだけでは離婚事由ありと認められるのは難しいでしょう。ただし、他の原因と併せて離婚事由ありとされることはあります。離婚でお悩みの方にとっては、この民法770条1項を読んでも、自分に離婚事由があるのか判断できない場合も少なくないと思います。その場合は法律の専門家である弁護士にご相談ください。

財産分与とはなんですか?

夫婦が共同生活中に形成した財産を清算することです。名義が誰になっているかは関係ありません。子供名義の預金でも、親が子の将来の教育資金のためにしていた預金は財産分与の対象になるでしょう。ほとんどの場合、積極財産(預金や不動産等の資産)から消極財産(借金など)を差し引いた額の半分ずつを分け合うということになります。

慰謝料っていくらもらえるの?

慰謝料請求ができるかや慰謝料の額がいくらになるかは、個別の事情によって決まります。相手方に責任があるためやむを得ず離婚をすることとなり、精神的苦痛を被ったとして、慰謝料の請求が認められる場合があります。根拠としては、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条、同710条)です。といっても、(この点、勘違いしていらっしゃる方が多いようなのですが、)どのような原因でも慰謝料が認められるわけではありません。不貞行為、暴力などの原因による離婚の場合には慰謝料が認められることが多いですが、価値観の違いや性格の不一致などが原因で離婚に至ったとしてもそれのみで慰謝料が認められることは少ないでしょう。離婚のご相談を受けたときに、「慰謝料の相場」を聞かれることが多いです。離婚の際の慰謝料算定にあたっては、

① 有責性の程度
② 被った精神的肉体的苦痛の程度
③ 婚姻期間の長さ
④ 相手方の資力の有無等

によって決まると言われていますが、不貞行為や暴行などによる離婚の場合でも200~300万円となる裁判例が多いです。

もちろん中には1,000万円を超える高額の離婚慰謝料を認めた裁判例もありますが、それぞれ高額となりうる特別の事情があります。

裁判所で親権者を決める場合、親権者はどうやって決まるの?

子供の現在の監護状況、それぞれの監護能力、子の年齢、意思等を総合考慮して決められます。子供の現状の生活が尊重されたり、小学校高学年くらいからは、子供の意思が尊重されることもあります。親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う(民法第818条2項)とされていますが、父母が離婚する際には、その一方を親権者とすることになります(民法第819条1項、2項)離婚に際しては、親権に関する対立が原因で、離婚がなかなか成立しないことがあります。子供が二人いる場合には、一人は父親、もう一方は母親を親権者とすることになると勘違いしている方が少なくないようですが、兄弟姉妹は、同一人によって監護されるべきであるという基本的な考えがあり、安易に兄弟姉妹の親権者を別々にすることはありません。 専門的な判断が必要になりますので、弁護士にご相談ください。

離婚の際に決定した親権者を後に変更することができるのでしょうか?

変更されることはありますが、かなり限定的です。民法第819条6項は「子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することできる。」と規定していますが、それまでの親権者の監護の実績を考慮し、親権者を変更する必要性が高くなければ変更は認められないといってよいでしょう。そのため、離婚の際によく考えずに親権を相手方に譲るといったことをしてはいけません。また、離婚の際に親権者となった親が再婚し、子供がその再婚相手と養子縁組した場合、他の実親は親権者の変更の申立てができるのかという問題がありますが、この場合、できないとする裁判例が多いです。民法第819条6項の規定は、単独親権の場合にのみ適用されるとするのが通説といってよいでしょう。では、子供に対する虐待などが行われている場合に親権者についてどうすればよいのでしょうか。
この点に関して、民法第834条は「父又は母が、親権を濫用し、又は著しく不行跡であるときは、裁判所は、子の親族又は検察官の請求によって、その親権の喪失を宣告することができる。」と規定しています。 詳しくは、法律の専門家である弁護士にご相談ください。

離婚に関して別居の期間や一方的な別居が問題となる場合がありますか?

民法上夫婦は同居義務を負います(民法752条)しかしながら、離婚を争っている夫婦は別居していることが多いのが現状です。離婚原因として、民法第770条1項5号の「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当するかが判断される場合、考慮要素の1つとして、別居の事実やその期間が挙げられることもあります。離婚に際して、特に別居期間が問題となるのは、いわゆる有責配偶者からの離婚請求の事件です、最高裁判所は、

① 別居期間が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及ぶこと
② 未成熟の子が存在しないこと
③ 相手方配偶者が離婚により精神的、社会的、経済的にきわめて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められないことが必要であるとしました。また、離婚しようとして、正当な理由なく一方的に別居した場合には民法第770条1項2号の悪意の遺棄にあたる場合があります。また、合意による別居でも生活費を支払わなくなるなどした場合、悪意の遺棄とされる場合があるので注意しましょう。

面会交流(面接交渉)とは何ですか?

未成年の子供がいる夫婦が離婚する場合、父母のいずれかが親権者又は監護権者となり、子供を監護養育することとなりますが、自ら子供を監護養育していない親が子供と会うことを面会交流(面接交渉)といいます。近時、この面会交流(面接交渉)をめぐるご相談が増加しています。そもそもは民法等に面会交流(面接交渉)に関する規定はなく、審判例において認められるようになってきたものなのですが、近年民法766条が改正され(平成24年4月1日施行)「父母が協議上の離婚をするときは、・・・父又は母と子との面会及びその他の交流…はその協議で定める。」(第766条1項)とし、「協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が」定める(同条2項)と規定されるに至りました。

・面会交流(面接交渉)を求める手続について
別居中の夫婦(又は離婚後)に面会交流(面接交渉)について協議が調わないときは家庭裁判所に調停又は審判を申し立てることになります。まず、調停手続をし、それで合意に向けた調整をすることになりますが、合意に至ることができない場合、審判に移行し、裁判官による判断がなされます。

・面会交流(面接交渉)についての判断基準
民法766条1項は「子の利益を最も優先して考慮しなければならない。」と規定しているが、実務では、子の福祉を害する特段の事情がない限り、原則的に面会交流を認める傾向にあります。では、例外的に面会交流が制限される(子の福祉を害する特段の事情がある)場合とはどのような場合でしょうか。例えば、子が連れ去られるおそれがある場合や子が虐待されるおそれがある場合は典型的な場合といえますが、必ずしもこれに限られません。

・面会交流(面接交渉)が調停や審判で決められたが、子供の監護をしている親が履行をしようとしない場合離婚に関し、面接交流が家庭裁判所による調停や審判で決められたけれども、実際に子供の監護をしている親が義務を履行しない場合には、

① 履行勧告
② 強制執行(間接強制)
③ 損害賠償請求
の方法が考えられます。

このうち②強制執行(間接強制)は裁判所(調停条項や審判)で決められた義務の履行を一定の時期までにすることを命じ、これがなされなかった場合に金銭の支払いを命ずる(不履行1回について○万円の支払を命ずるなど)ものです。どのような場合でも間接強制が認められるわけではないことに注意すべきです。面会交流事件は、両親の感情がぶつかり合うため紛争が深刻化し、また、基準が明確に規定されているわけではないことから、様々な考慮要素が絡み合うことになります。法律の専門家である弁護士にご相談ください。

離婚の協議・調停をしているが、別居中の夫が生活費を払わない場合どのようにすればよいでしょうか?

この場合、婚姻費用分担の調停や審判を申立てます。いきなり審判を申立てても調停に付されることが多いため、婚姻費用分担の調停を行うことから始まることがほとんどです。しかし、調停期日は1ヶ月に1回くらいのペースで行われることが多いため、調停が成立するまで3ヶ月以上かかることがしばしばありました。この場合、配偶者(妻)や子供はその数ヶ月間、経済的に困窮することとなってしまいます。従前は、家事審判の申立があった場合に、家庭裁判所は仮差押え、仮処分等の必要な保全処分を命ずることができました。家事事件手続法の施行により、審判事件の一部については、調停の申立てをしていれば、審判を申立てていなくても、審判前の保全処分ができるようになりました(家事事件手続法105条)別居中の夫が生活費を払ってくれない場合、婚姻費用分担調停の申立てと同時に仮払いの仮処分の申立てをすることができるようになりました。これにより、婚姻費用について、迅速な対応がなされ、落ち着いて離婚の条件をつめることができます。この他、養育費、財産分与、子の引渡しについても、調停の申立てをすれば、審判前の仮処分をすることができるようになりました。詳しくは、法律の専門家である弁護士にご相談ください。

離婚の際一度調停等で決めた養育費について、その後増額減額は可能でしょうか?

可能です。民法880条は、協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができると規定しています。ここで注意しなければいけないのは、協議や審判の変更ができるのは、養育費を決めた後に事情に変更があった場合であるということです。養育費が決まった後に、親権者が再婚して、子供が再婚相手と養子縁組した場合は、「事情に変更を生じた」と認められる場合がありますが、離婚成立後調停等により養育費が決められ、その際に既に親権者が再婚して、子供が再婚相手と養子縁組をしていたような場合には、そのことを理由に、一度決めた養育費を変更することは困難です。養育費が決まった後に、非親権者が再婚し子供が誕生した場合は、「事情に変更を生じた」と認められる場合がありますが、養育費を決める調停時に既に非親権者が再婚し、再婚相手の子供と養子縁組をしていた事案で、東京高等裁判所平成19年11月9日決定は「調停の当時、当事者に予測不能であったことが後に生じた場合に限り、これを事情の変更と評価して調停の内容を変更することが認められる」と判示し、再婚と養子縁組による社会保険料の増加等を理由とする養育費の減額を認めませんでした。このように、離婚後の養育費を決める際には、予測可能な事情を考慮して決める必要があります。

費用について

「離婚」に関する相談料は無料です。

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相続

身内だからこそ対立は深まっていきます。私たちにお話をお聞かせください。相続に関する問題についてお悩みの方は私達にご相談ください。

  • 大切なご家族がお亡くなりになって、その悲しみも癒えないうちに相続問題。

  • 遺産分割をしなければならないのだが、どうしたらいいかわからない。

  • 夫が多額の借金を残して亡くなったのだが、これは相続人が支払っていかなければならないのか。相続放棄という方法があると聞いたのだが。

ご相談事例

自分にはそれほど財産がないから遺言など必要ない。

そんなことはありません。たとえば、ローンで自宅を購入し、奥さんと独立した2人のお子さんがいらっしゃる場合、お子さんが法定相続分を主張し、結局ご自宅を売却せざるを得なくなる可能性もあります。

親族は仲がいいので、もしものことがあったら、遺された者がうまく分けてくれるはず。

残念なことですが、相続をめぐるトラブルは後を絶ちません。遺産分割の際のトラブルがきっかけで絶縁状態になるケースもあります。

遺言を書く必要はわかっているが、自分で適当に書けばいいのではないか?

確かに、自筆証書遺言は、公証人に依頼して作成する公正証書遺言と違って、気軽に書くことができます。しかし、書き方によってはせっかく書いても無効となる場合があります。こういう方は是非遺言を残すことをお薦めします。

・相続財産に不動産がある。
・相続人以外に財産を遺したい。
・会社を特定の人に承継したい。

遺産分割ってどういう手続きで行われるのですか?

遺産分割協議を行い、それで合意ができなければ、遺産分割調停をし、調停がまとまらければ、審判官による審判という流れになります。原則として、まず、当事者の遺産分割協議を行い、合意ができれば、遺産分割協議書に相続人全員が署名押印をすることになります。ただ、協議では合意ができないという場合があります。その場合、通常は、家庭裁判所に遺産分割調停を申立てます。管轄は、原則として相手方の住所地となります。遺産分割の調停が成立しない場合、審判に移行し、審判による解決ということになります。ただ、場合によっては、別個に訴訟をする必要がある場合があります。遺言の効力や遺産の範囲に争いがある場合がそれにあたります。

生命保険契約の死亡保険金は遺産に含まれますか?

原則として含まれません。ただ、他の共同相続人との間に著しい不公平が生ずる場合には、特別受益として相続財産とみなされる場合があります。

私の兄は生前贈与を受けています。相続のとき、相続分は同じになるのですか。

特別受益の問題ですね。特別受益とは、相続人が被相続人から受けた遺贈あるいは生計の資本として受けた贈与をいいます。共同相続人の中に、特別の受益(贈与)を受けた者がある場合に、相続に際して、この相続人が他の相続人と同じ相続分を受けとるとすると、不公平が生じます。そこで、民法は、相続人間の衡平を図るべく、特別な受益(贈与)を相続分の前渡しとみて、特別受益を相続財産に持ち戻して、相続分を算出することにしました(民法903条)。そして、特別受益の種類には、

①遺贈
②生前贈与
があります。

ご質問の回答ですが、あなたのお兄さんの受けた生前贈与が特別受益にあたる場合、その生前贈与分を遺産に足し戻して、相続分を算出することになります。 生前贈与が、いわゆる特別受益にあたるのかどうかにつきご相談を受けますが、相続財産の前渡しの贈与とみられるかどうか、扶養の範囲か否かをひとつの基準としてお考えになられると良いと思います。

持戻し免除って何ですか。

民法には、被相続人は特別受益者の受益分の持戻しを免除の意思表示をすることができる、との内容の規定があります(民法903条2項)。これを「持戻し免除の意思表示」といいます。被相続人が、相続開始時までに、特別受益を遺産分割において持戻す必要がない旨を明示又は黙示に意思表示していれば、特別受益の持戻しをせずに相続分を算出します。「黙示の持戻し免除の意思表示」が認められる場合としては、例えば、病気その他の理由により独立した生計を営むことが困難な相続人に対して生活保障を目的としてなされた贈与や、妻の老後を支えるための贈与があると言われています。

私は、長い間、親を介護してきました。他の兄弟よりも多く遺産を相続できますか。

寄与分の問題ですね。寄与分とは、被相続人の財産維持又は増加に特別に寄与した貢献をいいます。寄与分の制度は、共同相続人の中に、被相続人の財産維持又は増加に特別の寄与をした者があるときに、相続財産からその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなして相続分を算定し、その算定された相続分に寄与分を加えた額をその者の相続分とする制度です。これも相続人間の衡平を図る制度です。寄与分の条件は、

①相続人自らの寄与があること
②当該寄与行為が「特別の寄与」(通常期待される程度を超える貢献)であること
③被相続人の遺産が維持又は増加したこと
④寄与行為と被相続人の遺産の維持又は増加との間に因果関係があること
と解されています。

ご質問のように、ずっと介護をしてきました、世話をしてきました、その分多く遺産を相続したいのです、という相談を受けますが、それが寄与分として認められるかどうかは、その介護等が「通常期待される程度を越えるか否か」が基準となります。
特に介護の場合は、療養看護の必要性があったのか・特別の貢献があったのか・継続的に・専従的に無償で行っていたかが考慮要素となるでしょう。

被相続人の預貯金が払い戻されその使途が不明です。

いわゆる使途不明金の問題です。この問題は、大きく分けて、

①被相続人の了解の下に預貯金が払い戻されるなど特定の相続人が贈与を受けた旨の特別受益の問題として扱う場合
②被相続人の預貯金が無断で払い戻されて特定の相続人が取得した旨の不法行為ないし不当利得の問題として扱う場合
の2通りがあります。

どちらにしても、被相続人の預貯金を管理する相続人に対して、当該預貯金の払戻しの経緯とその使途を客観的資料とともに提出するよう依頼することが必要です。しかし、使途不明金の問題がある場合、任意の提出は期待できません。遺産分割がこじれてしまう前に、調停手続をおとりになるといいと思います。調停手続は弁護士に依頼しなくとも十分ご自身で申立をすることが可能です。

遺言があり、私は何の遺産も受け取ることができませんでした。

民法には、被相続人が有していた相続財産について、その一定割合の承継を一定の法定相続人に保障する制度、遺留分制度があります。つまり、民法は、一定の法定相続人に最低限の相続権を保障しているのです。遺留分権を有する相続人は、配偶者、子、直系尊属、子の代襲相続人です。兄弟姉妹には遺留分はありません。あなたが、遺留分権利者であれば、たとえ遺言であなたが遺産を相続できないことになっていたとしても、遺留分減殺請求権を行使することで、相続財産を取得することができます。

私は20年前に父から土地の生前贈与を受けました。遺産分割のとき、この土地の評価はどうするのですか。

遺産の評価の問題ですね。民法は、「被相続人が相続開始の時において有した財産の価額に」と規定していますので、相続開始時で評価します。相続開始時で評価するとしても、その額を確定するのは簡単ではなく、当事者で合意ができればその合意した額、合意ができなければ鑑定を行い額を算定することになります。

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